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第28回 放射線技師のためのセミナー 報告

今回のセミナーは、静岡県放射線技師会事務所で開催し、参加者は43名でした。

 最新技術講演では、散乱線補正・除去技術について、メーカー講演を行いました。

富士フイルムメディカルのVirtualGrid(以下、VG)は、「グリッドを使用していない撮影画像と撮影条件から、散乱線量を推定して、画質を改善する画像処理」と説明がありました。撮影条件と画像データから被写体厚を自動的に推定し、コントラストと粒状性を改善した画像を作成していました。またISSやノイズ低減回路の搭載により高感度化も実現しており、被ばく低減との両立を実現しています。

 コニカミノルタヘルスケアのIntelligent Grid(以下、IG)は、画像から体厚を自動推定し、その結果により散乱線含有率を推定しています。またグリッドレスの撮影画像から、推定した体厚・管電圧に応じて画素毎に散乱線含有率及び成分を推定し、減算する事でコントラストを改善しています。撮影条件の指定は管電圧のみで、シンプルな操作によって高画質を実現していました。

 PHILIPS HealthcareSkyFlow(以下、SF)では、被写体構造のモデルとモンテカルロシュミレーションに基づいて散乱X線を同定し、減算しています。コントラスト改善能はグリッド使用時とほぼ同等、被写体厚が厚いほど効果は大きく、従来撮影より最大40%の線量低減が可能との事でした。

 会員発表では、使用経験を発表して頂きました。沼津市立病院の高城正行会員からは、SF使用経験の発表があり、管電圧、mAs、照射野、被写体厚をそれぞれ変化させて、SFの挙動を検討していました。SFは散乱線の量に反応し、散乱線が多い状況下にてより強く処理されているとの報告でした。同施設ではVGも稼働しており、2つのシステムでの画像の見せ方に違いがある。今後は画像処理などを更に検討し、質の高い画像にしていきたいとの事でした。

 静岡市立清水病院の大瀧篤志会員からは、IGの使用経験を発表して頂きました。HCUOPE室にてIGを使用しており、導入によって検査のスループットが向上し、アライメント不良による画質低下が無くなった。デメリットは操作が煩雑な所がある、検証するのが難しいなどが挙げられるとの感想で、臨床上は問題なく使用できており、理解度と習熟度が上がればデメリットはある程度解消できる。今後もう少し理解度を上げていきたいとの事です。

 聖隷三方原病院の松田綾香会員からは、VGの使用経験を発表して頂きました。ポータブル撮影をER、病棟共にFPDへ移行し、VGを使用しているとの事でした。メリットはスループットの向上、扱いやすさ、斜入による濃度差が発生しないなどがあり、安全性の向上として患者誤認のリスク低減や、二重曝射の防止に繋がり、結果としてより良いサービスの提供ができるとの報告でした。

 特別講演では、奈良県立医科大学附属病院の中前光弘先生に、「一般撮影を使いこなそう!~各社の散乱線除去処理理を中心に~」とのタイトルで御講演をして頂きました。画像処理の基礎的なお話しの後に、散乱線除去用画像処理についてお話をして頂き、各社の散乱線除去処理には傾向があり、それぞれの特徴を解明する必要がある。一般撮影の使いこなし術は、画像処理の原理を知る事、画像処理は万能では無い事を知る事が大切であるとの事でした。様々な実験結果を見ながら画像処理を説明して頂いたお陰で、とても解り易く、参加者一同が画像処理に対する理解をとても深める事ができたのではないでしょうか。

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第26回 放射線技師のためのセミナー報告

今回のセミナーは、静岡県放射線技師会事務所で開催し、参加者は37名でした。

「最新装置と被ばく低減技術の紹介」のセッションでは、メーカーによる製品紹介と最新技術についてプレゼンをして頂きました。株式会社島津製作所より透視装置を中心に、X線の特性から被ばく低減技術までの幅広い説明がありました。被ばく低減においては、X線の特性、装置の設計、アプリケーション、画像処理のそれぞれの観点からの取り組みについて説明がありました。中でもX線が出ていない状態でコリメーター操作ができるバーチャルコリメーターや、泌尿器対応コリメーションなど、装置の設計レベルでの被ばく低減技術が優れていました。次に、GEヘルスケア・ジャパン株式会社よりCT装置を中心に、被ばく低減技術の説明がありました。RevorutionCTでは、トレードオフの関係にある空間分解能、カバレッジ、時間分解能を融合し、それぞれの長所を生かした設計がなされていました。新開発のガーネット検出器ではデータサンプリングレートが3.6倍になり、全身領域で空間分解能が33%向上しています。またSnapshot Freezeを使うことで、最短23msecの実行時間分解能を実現、160mmのワイドカバレッジは撮影時間の短縮や被ばく線量の低減に寄与しています。次世代の逐次近似再構成であるASiR-Vでは、最大82%の被ばく低減が可能だという事でした。

 会員発表では、「教育訓練」についての現状を発表して頂きました。放射線障害防止法で定められている教育訓練のみではなく、院内で行われている放射線教育全体の現状についての紹介をお願いしました。富士宮市立病院の酒井洋和会員からは、関係法令に基づく教育訓練の他に、院内研修、院外研修を行っていると発表がありました。院内研修では科内主催の勉強会を開催しており、公開勉強会も開催しているとの事でした。次に島田市民病院の畑利浩会員からの発表では、診療放射線技師、放射線科看護師、医師向けに教育訓練をおこなっているとの発表がありました。勤務の都合を考慮し、同じ内容の訓練を2~3回行うという事でしたが、参加人数があまり多くないという課題があるとの事でした。浜松医療センターの中村文俊会員からは、関係法令に基づく教育訓練の他に、新人オリエンテーションや放射線科に配属された看護師向けに教育訓練を行っているとの発表がありました。また、科内で被ばくに関する勉強会を行い、「被ばくQ&A」を作成し、被検者からの質問に答えるための資料を電子カルテ上に公開しているとの事でした。

 最後に特別講演として、「日本の放射線診断における診断参考レベル(DRLs)とその目的」について、藤田保健衛生大学の鈴木昇一先生の御講演を賜りました。DRLを策定するまでの国際的な動向からその目的まで、大変解り易く御説明して頂きました。DRL使用の目的は、

●正当化されない線量が多すぎたり少なすぎたりした場合、その地域、国家の線量を改善

●より特定な医療画像診断を良質に行うためのより狭い範囲での到達の促進

●ある特定の医療画像処理プロトコルのために最適な線量範囲に到達することを促進

であり、我々診療放射線技師もその意味を十分に理解する事が必要です。また今後、医療被ばくに対する線量の最適化がさらに加速すると思われますが、診療放射線技師の真価が問われている事を再認識した御講演でした。

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第25回放射線技師のためのセミナー報告

 今回のセミナーは、静岡県放射線技師会事務所で開催し、参加者は51名でした。  
 「FPDの最新技術」のセッションでは、メーカーによる製品紹介と最新技術についてプレゼンをして頂きました。富士フイルムメディカルでは、既存のラインナップに加え、昨年末に新発売されたCALNEO Smartの紹介がありました。同社の間接変換方式のFPDでは、ISS方式と柱状結晶の新センサーで高い描出能を実現、またCsIで高感度化を実現しており、CR比1/4の線量で同等の粒状性、鮮鋭度が得られるとの事でした。また、体動検出やVirtual Grid処理などの最新技術の紹介もありました。コニカミノルタ株式会社からはAeroDRの製品紹介と、画像形成プロセスから柱状結晶成長技術などの紹介の後、線量低減の考え方の説明がありました。同社のAeroDR(HQ)はREGIUS190(175μ読み)に対し、NEQの比較から線量を半分程度に落としても同等の粒状性が得られるとの事でした。また散乱線補正処理の紹介もあり、撮影後の元画像からの散乱線除去の方法を説明して頂きました。 
 「CRからFPD更新に伴う撮影条件について」の会員発表では、同一メーカーでの更新を行った2施設の発表がありました。
 静岡市立清水病院の大瀧会員は、自施設での実験からFPDは管電圧が高くなると感度が上がる事に着目し、旧システムからの移行時に、管電圧を上げる事と線量の適正化により50~80%の線量低減を行ったとの発表がありました。聖隷三方原病院の大橋会員からは、自施設で行った物理評価実験でDQEは、FPDがCRよりも2倍近く高い値を示した事を確認し、X線量子を2倍近く有効に利用することができるシステムであるとして、CRよりも1/2程度の線量で撮影しているとの発表がありました。
  「Exposure Index値の製品への応用」のセッションでは、PHILIPSの最新FPD「SkyPlate」の機器展示と同時に、EI値の製品への搭載状況についてプレゼンがあり、EI値が規格化されるまでの成り立ちから製品紹介、線量管理の方法まで幅広く説明して頂きました。PHILIPSの一般撮影系装置はすべてEI表示が可能であり、簡単に確認できるとの事でした。
  特別講演では、奈良県立医科大学附属病院の中前光弘先生に「ディジタル一般撮影における線量指標Exposure Index について」というタイトルで、基礎知識と臨床応用への課題について御講演をして頂きました。講演に先立ち、装置更新時の撮影条件の考え方についてアドバイスを頂きました。装置更新時には、新システムの導入前にデフォルトの撮影条件を設定する必要があり、その時点ではメーカーが公開しているDQE等のデータをある程度参考にする。大切なのは導入後に一定の期間を置いて、DQEに限らず画質全般をバランスよく再評価し、適正条件を考える事が必要なのではないかとの事でした。EI値については、 EI=c₀・g(V) で定義され、具体的にEI値の算出方法を詳しく説明して頂きました。臨床画像からのEI値の求め方も示していただき、とても勉強になりました。運用上の注意点としてはEI値の変動要因がるとの事で、被写体の違いや関心領域の設定の違いなどの影響を示して頂きました。また、EI値は検出器面への到達線量をもとに算出しており、皮膚表面線量とは違うため、被ばく管理に使う場合はその特性を理解する必要があるとの事でした。IE値の基礎から応用までとても解り易く説明して頂き、大変勉強になる講演でした。              
                                             管理士部会長 池谷 正治
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「第23回放射線技師のためのセミナー」報告 平成26年6月28日(土)

管理士部会も新しい役員となり、初めてのセミナーを開催しました。当日は、半導体検出器の最新情報と会員による使用経験、一般撮影とCTにおける不変性試験の実際、教育講演に日本診療放射線技師会理事をお迎えして管理士資格の更新に関する方法と要点についての講演をしていただきました。(参加者26名)

 メーカー講演「半導体検出器の紹介」

トーレック株式会社より、半導体検出器の基本原理とRaysafeX2の製品紹介をして頂きました。半導体検出器の特徴は、エネルギー分解能が良い、高速応答が可能、小型検出器、電池駆動可能であり、センサー後面を鉛で遮蔽することにより、後方散乱線の影響を受けないとの事でした。RaysafeX2は、センサーと本体をUSBケーブルで接続するだけで簡単に測定でき、一度の照射で複数の測定項目が表示されます。また、PCソフトウェアを使うことにより、パソコンにすべてのデータを転送でき、日常管理のデータ取りにも適しているということでした。

東洋メディック株式会社からは、半導体検出器の基本原理とRadicalの製品についての紹介をしていただきました。Radicalもエネルギーによっていくつかのセンサーが用意されており、診断領域のX線の測定が可能であるという事でした。また、マルチセンサーによる半価層の測定原理を示していただきました。半導体検出器の応用例として、CTの実行エネルギーの測定データの提示があり、エネルギースペクトルの違いによる値の違いについて説明していただきました。

会員発表では、沼津市立病院の浜崎あゆみ会員より、Unfors Xiを使用したマンモグラフィ品質管理についての発表がありました。半価層の値の信頼性の検討では、乳房撮影精度管理マニュアルに従って行った測定結果とUnfors Xiでの測定値との比較をし、良好な結果が得られたという事でした。

「ユーザーによる精度管理」

浜松医療センターの鈴木僚会員から、JIS規格をもとにした一般撮影装置の不変性試験についての発表がありました。幾何学的特性、高コントラスト解像度、X線像全域の光学的濃度変化、X線源装置からのX線出力、受像面へのX線入力を試験し、光学的濃度変化についてはデジタル値に置き換えて測定しているという事でした。

富士宮市立病院の勝間田悟会員からは、XCT装置の精度管理についての発表がありました。QAファントムを用いた画像の評価では、コントラストスケール、高コントラスト空間分解能、低コントラスト分解能、ノイズと均一性を測定しているとの事でした。過去には平均CT値がわずかに許容範囲外であったため、メーカーによるフルキャリブレーションを行った事もあるということでした。

特別講演「管理士認定資格更新に関する方法と要点」

 日本診療放射線技師会より児玉直樹理事をお迎えして、管理士資格更新について御講演をして頂きました。今年度は多くの放射線管理士、放射線機器管理士の方が更新の時期になるため、提出資料のポイントなどを具体的に教えていただきました。(提示して頂いた資料につきましては、別途掲載させて頂きます。)また、診療放射線技師の業務範囲の見直しについてでは、診療放射線技師法の改正への経緯の説明がありました。業務拡大が進む一方で我々の責任が大きくなる事、それを果たすために更なる学習に努める事の大切さを教えて頂きました。

 

 

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第22回放射線技師のためのセミナー報告

IMG_0007_11.JPG今回のセミナーは、県技師会新事務所で開催し、参加者は23名でした。「無線LANを利用したポータブル撮影」をテーマにしたセッションでは、メーカーによるプレゼンとその使用経験について会員発表していただきました。まずケアストリームヘルス株式会社「DRX-Revolution MobileXRay」の紹介、それを導入された富士市立中央病院の岡根谷会員に使用経験について発表していただきました。無線LANの環境についてはVLANによる統合LANという環境下では、階をまたいでも通信可能で、システム別LANという環境下では、セグメントをその都度変更することにより通信可能となる。また、ネットワーク環境下にない場合は、送信予約状態となり撮影した画像データは、無線接続時に自動送信される等機能について説明していただきました。ポータブル装置本体が575kgあるという点について会場から移動距離等に関する質問がありました。岡根谷会員は、導入したメリットとして業務効率の向上、人為的ミス防止、画像提供までの時間短縮があること、デメリットとしてはFPDが振動、衝撃に弱く修理費用も高いことなどを話していただきました。コニカミノルタヘルスケア株式会社「Aero DR」の紹介と中東遠総合医療センターでの使用経験の発表では、「Aero sync」によってCRでのポータブル撮影の問題が解決され作業効率が向上し、低被ばくで高画質の画像が得られるということを説明されOPE室撮影でのガーゼ確認しやすい画像も簡単に表示できることなど紹介されました。黒田会員は、災害時での使用も考えて導入したこと、現在は救急室での撮影にのみ使用していること、今後OPE室での撮影でも利用していきたいと考えていることなど話されました。教育講演「若手放射線科医が日々のCT読影で気をつけていること」は、浜松医大の伊東先生に講演していただきました。よく見る腹痛として、急性虫垂炎、結腸憩室炎、尿管結石があり、それぞれ症状、読影時のポイントなどについて教えていただきました。また脳梗塞、硬膜下血腫などの症例についてもわかりやすく説明していただきました。特別講演「診療録の基礎」は、日本診療情報管理学会副会長であり、北里大学病院医療支援部診療情報管理室にお勤めの荒井康夫先生に講演していただきました。診療情報管理士という資格を有する人が現在25965人(内訳:医師380人、看護師1764人、薬剤師78人、その他事務職など)いること、有資格者の業務内容、教育制度等について話していただき、診療放射線技師も関わる診療録についてもその意義、記載の仕方など教えて頂きました。 IMG_0008_11.JPG

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第20回放射線技師のためのセミナー報告

放射線技師のためのセミナーも20回を迎え、ふだん技師会が取り上げることが少ない放射線治療に関する内容と、技師会認定資格のこれからについてをテーマにした特別講演をプログラムし開催しました。当日は、セミナー会場である技師会事務所のエアコンが故障し、扇風機を回しながら大変蒸し暑い中でのセミナーとなり、参加者にはご迷惑をお掛けしました。(参加者:18名)メーカー講演「放射線治療用RISの紹介」三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社の放射線治療情報ソリューションCOCOAの紹介では、「ひとりひとりの患者様に対してチーム医療を着実に行い、高品質・高効率の治療を目指す」をコンセプトとして作られたCOCOAには、一患者の治療に関わる職種ごとの業務の進捗を一覧表示させるなどの機能(オールグリーン機能)や職種間の情報共有ツール(掲示板機能)、タブレット端末を用いた患者認証機能などが備わっているということでした。横河医療ソリューションズ株式会社の放射線治療業務システムは、治療部門内の情報を統合し、「安心・安全」のためのチーム医療を支援することを目的としたものであり、治療部門の装置、HIS、PACSと連携し、治療情報については、体外照射に限らず密封小線源治療、RI内用療法また電磁波温熱療法などについても統合管理できるとのことでした。有限会社ITEMコーポレーションの放射線治療業務支援システムRT-netは、治療関連装置、HIS,RISとも連携し患者の治療情報を一元管理するシステムで、リライトカード(書き換え可能カード)を用いた運用によって受付業務、待ち時間表示が可能となりまた、カードには次回診察日、現在の照射回数などの表示もできるとのことでした。教育講演「放射線治療における放射化物の管理」は、㈱日本環境調査研究所の川口先生にお話していただきました。原子力規制委員会設置法施行により、報告および緊急時・トラブル発生時等の対応における連絡先が変更になること、放射線障害防止法改正により放射化物に対する規制が導入され、リニアックの一部の部品等についても法に基づく管理を義務付けられることを説明していただきました。具体的に各施設が何をしなければならないかを話していただけたので非常にわかりやすい内容だったと思います。特別講演は、日本診療放射線技師会理事 児玉直樹先生に「認定資格のこれからと診療報酬」というテーマでお話していただきました。まず、技術を持つだけではお金をいただくことはできない。医療では、現状より国民に貢献すると考えられる進歩した技術、より安全・安心な医療のために必要と認められるような専門知識、専門技術を国民が認めて求めるようになって初めて診療報酬について検討される。放射線機器管理士による装置の安全管理、放射線管理士による被ばく相談、医用画像情報管理士による診療データ管理などは、将来診療報酬を認められる可能性がある。より良い医療に必要な資格であることを国民に理解してもらえるよう高いモチベーションで管理士として活動を続けることが大切であることを再認識させていただきました。セミナー資料は以下のPDFファイルをご確認ください。 放射線障害防止法の改正(放射化物の規制)について.pdf ITEM-RTNET 放射線治療システム20130627.pdf 130629_静岡県技師会【MDIS】1.pdf 130629_静岡県技師会【MDIS】2.pdf ☆配布用_第 20 回放射線技師のためセミナー横河.pdf
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第12回 放射線技師のためのセミナー 報告

平成22年6月26日  JA静岡厚生連遠州病院講堂

今回のセミナーは、JA静岡厚生連遠州病院の講堂で開催されました。雨の土曜の午後にも関わらず参加者51名と大変盛況な会となりました。

kanrishi2010 ▼ 最新技術講演(1)では、テルモ㈱の楡木先生が「NSFに関する最近の話題」というテーマでガドリニウム含有造影剤とNSF(腎性全身性線維症)について講演していただきました。NSFは、皮膚の過剰な線維化により、皮膚の腫張、硬化が生じたり斑点などが現れ、様々な経過をたどり死に至ることもある疾患であり、腎機能障害者に見られる。また、ガドリニウム含有造影剤との因果関係については1997年以降報告されるようになり、各国でガドリニウム含有造影剤の使用上の注意を呼びかけるようになってきているが、ガドリニウム含有造影剤にも構造上NSF発症リスクが高いものとそうでないものがあるので造影剤の選択も重要であるとの内容でした。最新技術講演(2)では、東芝メディカルシステムズ㈱の金原先生に、東芝CT装置の最新技術について紹介していただきました。ボディパフュージョン、心筋パフュージョン等の紹介、被ばく低減策について説明していただきました。

▼ 会員講演「CT装置の更新とその使用経験」では、磐田市立総合病院の神谷会員、静岡県立静岡がんセンターの瓜倉会員、聖隷浜松病院の山下会員に講演していただきました。神谷会員は、CT装置更新にあたり、心臓CTの充実という目的を医師と技師が共有し、他施設での研修を通して準備を行い機種選定し新CT装置を導入したことを説明され、新CT装置の構造、被ばく低減も含めた機能の紹介、臨床画像等講演していただきました。瓜倉会員には、CT装置増設に至った経緯の説明と320列CTを用いた検査として、脳においては全脳CTパフュージョン、術前4D-CTAその他部位では心臓、肺(4D-CT)、肝胆膵領域(4D-CTAP)などの検査を紹介していただきました。山下会員には、初めてCTに用いられた逐次近似法を応用したノイズ低減技術(ASiR)の紹介をしていただきました。

kanrishi2010 ▼ 特別講演では、藤田保健衛生大学教授 鈴木昇一先生に「CT装置の線量評価と医療被曝」というテーマで講演していただきました。CTで使用される線量評価の指標CTDI等の定義、CTDI等の表示値と実測値の違いを示すデータ、血管造影での被ばく線量とCTAでの被ばく線量の比較データなど貴重なデータを多くみせていただきました。また、最近はマンモグラフィーにおける線量測定を行っているとのことで、会場の会員に対し測定に協力してもらえる施設を募集されていました。

(管理士部会 聖隷浜松病院 片岡純也)

第12回放射線技師のためのセミナーの資料は、こちらからダウンロードできます。

 「腎性全身性繊維症(NSF)の最新の話題」(ダウンロードPDF形式)
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