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第12回 放射線技師のためのセミナー 報告

平成22年6月26日  JA静岡厚生連遠州病院講堂

今回のセミナーは、JA静岡厚生連遠州病院の講堂で開催されました。雨の土曜の午後にも関わらず参加者51名と大変盛況な会となりました。

kanrishi2010 ▼ 最新技術講演(1)では、テルモ㈱の楡木先生が「NSFに関する最近の話題」というテーマでガドリニウム含有造影剤とNSF(腎性全身性線維症)について講演していただきました。NSFは、皮膚の過剰な線維化により、皮膚の腫張、硬化が生じたり斑点などが現れ、様々な経過をたどり死に至ることもある疾患であり、腎機能障害者に見られる。また、ガドリニウム含有造影剤との因果関係については1997年以降報告されるようになり、各国でガドリニウム含有造影剤の使用上の注意を呼びかけるようになってきているが、ガドリニウム含有造影剤にも構造上NSF発症リスクが高いものとそうでないものがあるので造影剤の選択も重要であるとの内容でした。最新技術講演(2)では、東芝メディカルシステムズ㈱の金原先生に、東芝CT装置の最新技術について紹介していただきました。ボディパフュージョン、心筋パフュージョン等の紹介、被ばく低減策について説明していただきました。

▼ 会員講演「CT装置の更新とその使用経験」では、磐田市立総合病院の神谷会員、静岡県立静岡がんセンターの瓜倉会員、聖隷浜松病院の山下会員に講演していただきました。神谷会員は、CT装置更新にあたり、心臓CTの充実という目的を医師と技師が共有し、他施設での研修を通して準備を行い機種選定し新CT装置を導入したことを説明され、新CT装置の構造、被ばく低減も含めた機能の紹介、臨床画像等講演していただきました。瓜倉会員には、CT装置増設に至った経緯の説明と320列CTを用いた検査として、脳においては全脳CTパフュージョン、術前4D-CTAその他部位では心臓、肺(4D-CT)、肝胆膵領域(4D-CTAP)などの検査を紹介していただきました。山下会員には、初めてCTに用いられた逐次近似法を応用したノイズ低減技術(ASiR)の紹介をしていただきました。

kanrishi2010 ▼ 特別講演では、藤田保健衛生大学教授 鈴木昇一先生に「CT装置の線量評価と医療被曝」というテーマで講演していただきました。CTで使用される線量評価の指標CTDI等の定義、CTDI等の表示値と実測値の違いを示すデータ、血管造影での被ばく線量とCTAでの被ばく線量の比較データなど貴重なデータを多くみせていただきました。また、最近はマンモグラフィーにおける線量測定を行っているとのことで、会場の会員に対し測定に協力してもらえる施設を募集されていました。

(管理士部会 聖隷浜松病院 片岡純也)

第12回放射線技師のためのセミナーの資料は、こちらからダウンロードできます。

 「腎性全身性繊維症(NSF)の最新の話題」(ダウンロードPDF形式)

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