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平成24年度 原子力災害時緊急対策研修会報告

               静岡県立総合病院つつじホールにて開催

                    報告者:災害対策委員長 田沢範康

 

 東日本大震災より1年8ヶ月経った1111日、静岡県立総合病院つつじホールにて開催されました。

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途中で雨が降ってきた生憎の天気でしたが、参加人数は技師40名、一般市民20名と総勢60名と予想を

遥かに上回る数でした。(途中で用意していた配布資料が無くなるというハプニングもありました。)

 

研修会は、日立アロカ株式会社 山口弘明先生に【GM菅サーベイメーターの原理と取り扱い】と題しまして講演をして頂きました。サーベイ装置の受光部・本体部の機器特性及び測定上の注意事項及び時定数の選択や測定時の機器による数え落としが存在する事またGMサーベイは表面汚染を測定し汚染の有無判断をする機器である事、またβ線を測定することを学びました。

その後【GM菅サーベイメーターの取り扱い実習】と題し前半は管理士部会主催でGMサーベイメーターにて距離・時間に関しての実習を行いました。内容はマントルを用いての測定実習・機器装置操作研修を行うことで災害時に的確に行える様に実習をしました。 後半は中部電力浜岡原子力発電所 放射線安全課の近藤正先生と森藤洋輔先生に実際にタイベックスーツを着用し、スクリーニングの実践としてセグメント法を用いて身体表面の汚染の有無の確認の仕方を教えて頂きました。

今年度より公益法人となった為、公益事業の1つとして一般市民に向けて公開講演を2題、企画しました。

1つ目は静岡大学理学部教授 里村幹夫先生に【東日本大震災と南海トラフ超巨大地震】として地震のメカニズムなどについて講演して頂きました。地震の強さは震源よりも震源域(断層面)の大きさが重要になってくる事。東海地震単独で発生するよりも南海トラフ連動になるとの見方が主流。震源が東南海地震震源域になると、静岡では緊急地震速報が活用できると教えて頂きました。

2つ目は静岡県地震防災センター所長 小林佐登志先生に【静岡県における想定東海地震対策】として実際に県はどのような対策や取り組みをしていくのか講演して頂きました。東海地震は都市直下型の海溝型巨大地震なので、まずは「自助」として家の耐震化や家庭内DIGの実践。そして「共助」として地域を自主防災組織で守る。そして、それをしっかり支える自治体が「公助」として橋・道路・上下水道・港湾などの維持・更新や危機管理の素養を持つ人材育成プログラムを強化。そして今後の取り組みとして地域防災計画の改訂。地震・津波アクションプログラムの改定を行う事を教えて頂きました。

講演後、関心が高いようで一般市民からの活発な質問がされました。おそらく、8月29日に内閣府が今後起こりうるであろう「南海トラフ巨大地震」による津波高、浸水域や被害想定を公表した影響もあると思います。富士山や浜岡原子力発電所を抱える静岡県で、このような大規模な地震が起きた場合、通常業務ができない様な、ほぼ壊滅的な状況になると思います。そんな中、我々放射線技師にできる事は何なのか。

まずは、サーベイメータ‐を使用してスクリーニングを行い、見えない放射線の恐怖を住民から取り除く事ではないかと思います。

  H24原子力災害時緊急対策研修会報告(PDFはこちらから)

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