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第31回放射線技師のためのセミナー報告

 平成29114日静岡県放射線技師会事務所にてセミナーを開催し、参加者31名(会員27名、非会員4名)であった。今回のセミナーのテーマは、「線量管理」でメーカー講演では「最新の被ばく管理アプリケーション」の内容で2社から講演頂いた。

 

バイエル製薬株式会社は、X線線量情報の一元管理システムであるRadimetricsが紹介された。このシステムは、PACSへ接続し各モダリティからのDICOMデータを取得する事で、CTXARFCR/DXMGの線量管理が可能となる。CTを例にとると、CTDIvolDLPICRP10360SSDEの管理ができ、モンテカルロシミュレーションにより臓器線量の表示も可能である。患者の被ばく履歴だけでなく、シリーズやプロトコルごとに線量を評価できるのも特徴である。Webブラウザからも参照でき、ログインするユーザー毎の設定により必要な統計情報を素早く得ることができる。


EIZOメディカルソリューションズ株式会社からは、被曝線量管理システムのDOSE MANAGERが紹介された。このシステムはRIS、検像端末、PACSからMPPSDICOM Dose-SRを取得。線量情報がないものは、撮影条件から近似値を計算する。RIRTは、RIS核医学Option、治療RIS装置本体と個別接続し線量データを収集する。電子カルテやRISPSCS Viewer、とも連携しWebブラウザ上で管理画面を起動できる。Dose Report機能から診療録の保存や患者説明用のレポートを作成できるのも特徴である。


会員発表として2施設の会員から発表があった。

順天堂大学医学部附属静岡病院の坂元慎介会員からは、作業環境測定士について報告があった。放射線技師が資格を取得し、主に核医学での漏洩線量測定を行っているとのことだった。また、資格の紹介や作業内容、必要な知識について細かく説明された。会場からは、外部業者に委託したほうが費用的に安いのではないかとの意見もあった。

富士宮市立病院の酒井洋和会員からは、被ばく低減施設認定取得の取り組みについて報告があった。申込書提出から認定取得までおよそ1年半を要したが、苦労した点などを入れながら"やるべきこと!!"として、細かく重要な事項を説明された。各装置の精度管理、患者被ばく線量管理は当然であるが、技師以外のスタッフへの啓発や統一された患者への説明マニュアルが重要であるとのことであった。一番苦労した点は、組織・臓器の被ばく線量を算出することで、モダリティごとに評価が必要なので、準備をしっかりしたほうが良いとのことであった。

第31回放射線技師のためのセミナー諸澄先生  第31回放射線技師のためのセミナー特別講演 

特別講演は、公益社団法人日本診療放射線技師会 医療被ばく管理委員の諸澄邦彦先生より「医療被ばくの現状とその低減に向けた取り組み」として講演頂いた。内容としては、話題になった医療被ばくの事例からなぜ患者被ばくの管理が必要なのか説明された。また、診断参考レベルDRLs2015についても各モダリティでの線量測定の方法など、解説され自分たちの使用する装置がどのレベルにあるのか確認することの重要性を訴えられた。さらに医療被ばくを低減していくための取り組みを進めて行くことが必要だとされた。

 わかりやすい解説で、医療被ばくの管理がいかに大切であるか再認識した。

管理士部会 根岸賢哉

 

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