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2016年7月 Archive
第29回放射線技師のためのセミナー報告
- 2016年7月24日 22:22
第29回 放射線技師のためのセミナー 報告
平成28年6月25日
静岡市産学交流センターペガサート7階 大会議室
平成28年6月25日静岡市ペガサートにてセミナーを開催し、参加者37名であった。(会員35名、非会員2名)今回のセミナーのテーマは「高精細モニタ」で、メーカー講演では「最新の高精細モニタと管理アプリケーション」の内容で3社から講演頂いた。
EIZOからは新しいRadiForceシリーズの機能としてモニタを数珠つなぎできるDaisy Chain機能や明所でも視認性の高い特殊AR加工フィルム、管理ソフトウェアとしては、RadiNETProが紹介された。
バルコからは、最新のMDCC-6430が紹介された。このモニタは最大輝度1050cd/m²、推奨輝度600cd/m²、輝度保証時間40000時間が実現された。また、常時補正型内臓センサーのI-Guardを搭載し、常時輝度監視が可能となった。
NECからは、2MPスクエアカラーMDC212C2が紹介された。このモニタは、14bitの3D-LUTを搭載し、正確な階調特性と色再現性を実現している。フロントセンサーを搭載し、液晶パネル面を常時監視、安定した輝度・色度で画像が表示可能である。
会員発表として4施設の会員から使用経験の発表があった。
聖隷事業団保険事業部地域・企業検診センターの松谷会員からは、日常行っている目視点検などのモニタ管理の工夫を検診施設の観点から紹介して頂いた。また、画像サーバーと高精細モニタの更新時に経験した不具合より、PC・モニタ・アプリケーションがそれぞれ異なるベンダーのため問題を切り分けることが難しく、不具合を解決するのに苦労した。これにより、システムを更新するにあたり、事前の準備や確認項目をしっかり検討しておくことが大切ということだった。
中東遠総合医療センターの糟谷会員からは、EIZOのRadiNETProについて使用経験の報告があった。中央管理用の端末1台から、全てのモニタを管理でき、遠隔操作により不変性試験や管理データが取得できる。取得した結果により、不合格モニタの把握や、輝度の落ちているモニタ、使用頻度の低いモニタを特定することでユーザーによるモニタの入れ替えが可能になり、病院資産運用の助けとなるということだった。
富士市立中央病院の湯山会員からは、マンモグラフィ用5Mモニタの精度管理について報告された。自施設で実施した受入試験や、日常試験、不変性試験の詳しい説明があった。また、読影環境に対する工夫も述べられた。
浜松医療センターの杉森会員からは、手術室におけるモニタの精度管理について発表があった。手術室ということもあり、医療情報室の事務員が主な管理を担っているが、放射線技師が関わっていることについて報告された。
この後、3社により最新モニタや品質管理アプリケーションの使用体験が行われた。
特別講演では、JIRAモニタ診断システム委員会委員長前田和哉先生から「モニタ品質管理の重要性とガイドライン(JESRA X-0093)の紹介」と題して講演を頂いた。なぜ品質管理が重要なのかを身近な話題から説明された。また、現在のガイドラインも見直しが必要であることも述べられた上で、受入試験や定期試験の細かな試験内容について詳しく解説して頂いた。
管理士部会 根岸賢哉
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