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2013年3月 Archive
平成25年度MR部会 事業計画
- 2013年3月 9日 19:51
- <1>部会報告
①第38回MR部会研修会
予定日 :2013年9月14日 13:30受付開始・14:00~開始
予定場所:静岡市立病院
テーマ :「骨軟部について」
②第39回MR部会研修会(アンギオ部会と合同)
予定日 :2014年2月
予定場所:未定
テーマ :「大動脈について」
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第37回MR部会研修会 報告(乳腺部会・超音波部会合同)
平成25年1月26日(土)14:00~乳腺・超音波・MRI合同部会が静岡県立総合病院 つつじホールにて開催されました。参加人数は、46名ほどでした。
本研修会は、メーカー講演及び症例検討会という形式をとりました。
まず、メーカー講演ですが、はじめに、2012年10月に薬事承認をされたMRI対応ペースメーカについてメドトロニック社様にご講演頂きました。MRI非対応ペースメーカに関しては、「リードの発熱」、「傾斜磁場やRF波がペースメーカのリードに電圧を誘起する為に意図しない心臓刺激が起こりえること」、「傾斜磁場・RF磁場・静磁場がペースメーカの動作に対して、干渉することで、ペーシング不全等に陥る可能性があること」の3点があげられるそうです。このことから、今回販売されることになったMRI対応ペースメーカについては、ペーシングを行う部分とリード線ともにMRIに対して、発熱、干渉を起こさないように出来ているということでした。リードに関しては高周波に対する抵抗を上げて、リードの発熱を防ぐそうです。ペーシングを行う部分に関しては、MR検査室に入る前に、SureScanモードに変更を行う必要があるということでした。また、MRI非対応ペースメーカと区別するために、独自のマーカーが付いているそうです。
次に第一三共株式会社様には、超音波診断用造影剤ソナゾイドを使用した乳腺エコーについてご講演頂きました。2012年8月に効果・効能の部分で、肝腫瘤性病変だけであったが、乳腺腫瘤性病変が追加されることになりました。使用方法としては、ハーモニックBモードで、投与後約1分間撮影するというものです。臨床試験での報告では、正診率は造影超音波検査が87.2%、造影MRI検査が69.5%で17.7%高くなり、感度においても造影超音波検査が91.4%、造影MRI検査が84.8%で6.7%高くなったということでした。造影超音波は、良悪性の鑑別に非常に有用であるということでした。
メーカー講演の最後に、GEヘルスケア・ジャパン株式会社様からMRエラストグラフィについてご講演して頂きました。
超音波では乳腺領域におけるエラストグラフィは盛んに行われてきていますが、MRIにおいては、まだ行われていないのが実際ですが、MRIにおいて、肝臓領域におけるエラストグラフィについては、GE社のみで行える検査となっています。肝臓の線維化の程度を非侵襲的に評価する方法として非常に注目を集めています。MRにおけるエラストグラフィは、腹部表面に振動を人体に伝播させるための装置が必要となるそうです。撮像シーケンスはGRE法を使用しているそうです。原理としては、肝臓内の振動の伝播をMRIでの位相変化量として捉えることで、肝臓の組織の硬さを定量するというものでした。肝生検やRFA前に、肝臓の硬さを知ることは非常に重要である為、今後の臨床応用されるのが期待されている。
症例検討会では、浜松医科大学 放射線医学教室 那須初子先生に解説をして頂き、超音波、マンモモグラフィ、MRIの読影について講演していただきました。それぞれ、診断の為の樹形図を提示して下さました。マンモグラフィについては、技師の視点に立って頂き、撮像条件やポジショニング技術についてまで解説して下さりました。超音波については、乳腺疾患の診断基準に基づいて腫瘤形成性病変と非腫瘤形成性病変に分けて説明していただきました。また、乳腺MRIにおいては、近年よく使用されているBI-RADSを元に読影方法を説明して頂きました。乳腺MRIにおいてのピットフォールとして、乳腺が濃染してしまうことがあり、感度が落ちることがあることには注意が必要とのことでした。
今回の研修会は乳腺領域についてマンモグラフィ、超音波、MRIの読影をメインに開催され、それぞれのモダリティの特徴を知ることができたと思います。特に、乳腺領域については、放射線技師が読影という部分で最も活躍できる場でもあると思います。今後は、今回のような読影を含めた研修会が開催できればと思います。
(静岡県立総合病院 大川 剛史)
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